はじめに
大きな出来事とメガヒットと危機と三つの物語と・・・・・・
1. 「情報の交叉点」と遭遇した
それは、危機からはじまった / 『アンダーグラウンド』の場合
それは、危機からはじまった / 『失楽園』の場合
それは、危機からはじまった / 『新世紀エヴァンゲリオン』の場合
三つの物語との出会い / 見えてきた「問題」
出現する「問題」 / リンクとしての同時代
浅く、浅く、あくまでも浅く / 物語と出来事を漂流する
書店はいつも「はなやぎ」の空間 / 漂流は小学生のころからはじまった
情報の交叉点のざわめき / 聞こえる者には、音だって
いつでも、どこでも、たちどまる / ビデオ、街、テレビ、新聞・・・・・・
「いまとここ」が膨張し収縮する / 「教室」も「はなやぎ」の空間として
2. 「危機」物語は九五年にはじまる
かかわりのない三つの物語 / 読者層も、ジャンルも、メディアも
一九九五年にはじまり / 九六.九七年とひたすら膨張する物語
「大きな出来事」の衝撃 / 「それ以前/それ以後」を意識させる
メディアミックスの制覇/ この時代をすくいとる物語のネットワーク
『新世紀エヴァンゲリオン』/ 「なにか」が襲撃してくる
『アンダーグラウンド』/ 嗅いだこともない「なにか」が地下鉄の闇のなかから
『失楽園』 / 中高年に襲来する病気、リストラ、家庭問題、そして・・・・・・
変貌し続ける性愛 / 見慣れた「危機」に直面してみれば
3. 危機管理から「危機」があふれだす
「危機」というキイワード / バブル経済の「危機管理」からはじまった
管理を無効化する「危機」 / 九五年体験は社会の危機管理へむかう
「危機あおり」と「危機の襲来」 / 財政危機からペルー事件まで
社会と文化の「危機」の露呈 / オウムから神戸事件まで
いたるところにひそむ「危機」 / 神戸の事件がうきぼりにしたこと
体制の危機は去ったのか / 「危機」のないステージで「危機」がおどる
4. 鬼畜系が「危機」を手なずける
「鬼畜」系は「危機」を楽しんでしまう / 積極的な対処法として
「あぶない」を競い合う / 「差別語」は妄想の死である
九五年以後にブレイクした「鬼畜」 / 「危機」を手なずけられるか
もうなにも怖くない / 死体を見たり、「あぶない人」になったり
新グロ・エロ系の身体感覚 / 「危機」がなまなましく
グロテスクなものとはなにか / W・カイザーの「ひそかな解放」説から
陽気で明るいグロテスク / M・バフチンの「危機=再生」論
「危機」からはじまる物語は / 「危機」をどうとらえたか
5. 「危機」物語は九五年にはじまる
#以下作成中
「無解決」社会の象徴・酒鬼薔薇聖斗事件
現在の「事件」を読むための10冊の本
6. 『アンダーグラウンド』と日本人・社会的責務
・
「鳥瞰」する国民
「日本・日本人」帰還時代の司馬遼太郎の意味
7. 『失楽園』と「性愛」、そしてなにもなくなった
・
あとがき